「海上自衛官から民間船員に転職したいけど、何から始めればいいか分からない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
自衛官と民間船員では、仕事内容はもちろん、就職活動の進め方も全く違います。でも安心してください!この記事では、元海上自衛官で今は現役の民間船員である私が、自身の経験をもとに、民間船への転職を成功させるための面接のコツをすべてお伝えします。
これを読めば、あなたの転職活動がスムーズに進み、納得のいく会社と出会えるはずです。
それでは、早速見ていきましょう!
・効率的な求人情報の探し方とは?
・面接時に必ず確認すべき重要な項目は?
・入社後のミスマッチを防ぐための秘訣
・「転船」という船乗り特有の働き方
・給料や休暇など、待遇の良い会社を見抜くには?
・未経験からでも希望の仕事に就けるのか?
海上自衛官から民間船員への就職活動
民間船員への転職活動、まずはどこから始めたらいいのでしょうか?
主に以下の2つです。
- 大手求人サイトや専門サイトで探す:インディードやビズリーチ、リクルートなどの一般的な転職サイトや、船員専門のサイトで自分で求人情報を探す方法です。
 
- 海のハローワークに登録する:国土交通省が運営する「海のハローワーク」に登録し、自分で会社の情報を調べ連絡する方法と、求人情報を公開して会社からの連絡を待つ方法があります。
 
私は民間船の知識がほとんどなかったので、後者の「海のハローワーク」に登録することにしました。
退職の少し前、10月頃に自衛隊に求職活動の届け出をして、国土交通省の窓口で手続きをしました。
登録内容には、求職票に年齢、保有資格、船員歴、希望収入、希望船種等があります。
担当の方が丁寧に説明してくれたので、手続きはとてもスムーズでした。
ちなみに、海のハローワーク以外にも、より多くの求人を見てみたい場合は、大手転職サイトもおすすめです。
無料登録しておくだけで、非公開求人を含む様々な船員の仕事が見つかります。
複数の選択肢を比較することで、あなたにぴったりの会社がきっと見つかりますよ。
海のハローワークは転職活動の強い味方
海のハローワークに登録したその日から、怒涛の電話ラッシュが始まりました!
海運業界は深刻な人手不足なので、僕が書いた求職票を見たたくさんの船会社から、毎日ひっきりなしに電話がかかってきたんです。
一日に10社以上から電話があった日もありました。
でも、注意が必要です。
中には求職票をほとんど見ておらず、手当たり次第に電話をかけているような会社も多いです。
私は電話での印象を大事にしたかったので、次のような会社はすぐにお断りしました。
人の第一印象は、話した感じで決まるので、電話の感じってものすごく大事なんですよね。
- こちらの話を聞かずに、一方的に早口で話を進める人
 - 感触がないとわかったら、とりあえず面接を進める人
 - 初対面なのに、方言バリバリで知り合い感覚で話す人
 
逆に、私の話や質問にじっくりと耳を傾け、丁寧に対応してくれる会社には好感を持ち、詳しく話を聞いてみました。
- ゆっくりと余裕のある話し方で、人事のノウハウがある人
 - 以後のやり取りをこちらの都合に合わせてくれる人(ショートメッセージなど)
 - 自社HPがある会社
 - 資料を自宅に送付してくれる会社
 
面接から入社までの流れ
船員の面接には、自分が会社に出向くパターンと、会社側がこちらの居住地まで来てくれるパターンの2つがあります。
自分が出向くパターンは、宿泊、移動代は会社がみてくれますので、旅行がてら何社も受ければよかったなと、今となっては思います(笑)
私は、社長が自らこちらに来てくれた、ある会社に入社を決めました。
電話での対応も社長だったため、話が早くスムーズに進み、声の印象通りの信頼できる方でした。
一方、電話と面接の担当者が異なり、話が最初からやり直しになったり、事前に聞いていた給料額が大幅に下がったりするような会社もあるため、時間の無駄にならないよう、即座にお断りすることが重要です。

ひこやん
そういう会社は熱意がないし、船員を軽くみてる感じがするよね。わしゃソッコー帰ったよ。
内定を勝ち取る!面接対策のポイント
船員の面接は、一般的な企業とは少し違います。自己紹介や志望動機、自己PRといった形式的な質問はほとんどありませんでした(大手の場合は違うかもしれませんが)。
民間船が初めてだと、何を聞いたらいいか分からなくなるかもしれませんが、面接は会社と対等な立場で話す大事な場です。
給料や働き方など、気になることはすべてクリアにしておきましょう。
面接で絶対聞くべき重要項目はコレ!
後悔しない転職のために、以下の項目は絶対に面接で確認してください。入社してから「話が違う!」とならないよう、細かく質問することが成功の秘訣です。
自衛隊と違い、雇い雇われの関係なので、そこはしっかりと話さなければなりません。
今までは自衛隊の決められた各種手当だったので、なにも考えたことがなかったのですが、民間企業はこの手当はつく、つかないがあるので、そこはしっかりと話したほうがいいです。
面接で必ず確認すべき5つの重要項目
面接時に必ず確認してほしいポイントを5つに絞ってご紹介します。
1. 給与と各種手当と乗船サイクル
「この手当はつくの?」「ボーナスはどのくらい?」など、お金に関することは一番重要です。 具体的に、以下のことを確認しましょう。
- 月の手取り額
 - 下船中の給料
 - ボーナスの有無と金額
 - 昇給の有無
 - 航海手当や掃除手当などの各種手当はつくのか
 
- 3カ月乗船1か月休暇
 - 2か月乗船20日休暇
 
「3ヶ月乗船したら1ヶ月休暇」など、聞いていた通りに休暇が取れているか確認しましょう。
人が足りていない会社だと、予定通りに休めないこともあります。
「キツくても、お金がいいから頑張る」は、モチベーションをあげる要素にもなります。
しかし、ここはきちんと説明を聞いておかなければ、乗船時の給料が多いときの話ばかり受け取って実際は違ったというケースもよく聞きます。
例えば、下船時にガクッと下がるが、乗船時にものすごく多いので、平均しても他より給料がいい会社があるとします。
これは、3か月乗船の条件で入社したにもかかわらず、乗れば乗るほど給料がもらえるという心理から、6カ月、9カ月乗船をお願いされて、渋々承諾するという感じです。
なぜ延長させられるのか?
単純に人が回っていないから、休暇に出せないのです。
なぜ人が回らないか?
しょっちゅう人が辞めたり、せっかく入ってきてもすぐ辞めたりするからです。
極端に給料がいい会社は、そうまでしないと人が入らないということで、ずっと求人を出しているなら、きっと何かがあるんでしょうね(@_@)
2. 食事と生活環境
毎日のことなので、船での生活環境は非常に重要です。
- 食事は司厨長が作ってくれるのか?それとも自炊か?
 - 自炊の場合、食糧費は支給されるのか?
 - 月に何回くらい仮バース(入港)するのか?
 - Wi-Fiはあるか?
 
〇か月乗船だからといって、ずっと毎日働きっぱなしということはありません。
民間船は、水や食糧の補給で仮バースで入港します。
荷役が終わったら、そのまま次の日まで停泊することもあります。
その船がどのくらいの頻度で仮バースに入るかは、乗船時の疲労やストレスに大きく影響します。
食事体系も、司厨長が作ってくれるのか、自炊なのか、自炊なら自分の分だけでいいのか、など聞いておく必要があります。
これも、船乗りの生活に大きく影響します。
3. 有給休暇
「有給休暇は買い取ってくれるのか?」これも聞いておくと良いでしょう。契約通りのサイクルで休暇が取れなかった場合、有給を買い取ってくれる会社もあります。
4. 転船の有無
一つの会社の中でも、複数の船に乗り換える可能性があるか聞いておきましょう。転船を繰り返すことで、いろいろな船種を経験できますが、そのたびに引っ越しが必要になり、仕事内容も変わるため大変なこともあります。
5. 船員保険の内容と保障
万が一の時の保障についてもしっかりと確認しておくことが大切です。
「転船」とは?船員特有のキャリアパス
船乗りは、一つの会社で長く働く人もいれば、数年で会社を転々とする人も少なくありません。
資格と経験さえあれば、給与や休暇など、より良い条件を求めて自由に転職できるからです。
「転船」とは、同じ会社内の異なる船に乗り換えることを指します。
このように、船員の世界では「転職」が非常に一般的。
もし、最初に入社した会社が「なんか話と違うな…」と感じても、我慢する必要はありません。
思い切って転職活動を再開するのも一つの手です。
海運業界は今、人手不足なので、あなたの経験は引く手あまたですよ。
自分の将来に苦しんで悩んでる海上自衛官へ
これまでの記事を読んで、悩んでるあなたは少しだけ前向きな気持ちになったのではないでしょうか?
最初の一歩として、まずは無料で転職サイトに登録し、どのような求人があるか見てみることをおすすめします。
あなたのスキルや希望に合った求人情報がきっと見つかりますよ。
そうすれば、自衛隊に求職活動の届け出をした後に、スムーズに行動できるのではないでしょうか。
まとめ
海上自衛官のあなたが民間船員に転職する際、最も重要なのは「海のハローワーク」を最大限に活用すること、そして面接で給与や働き方など、気になることをすべて正直に聞くことです。
最後に一言。
あなたが納得できる条件で働ける会社と出会うため、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
民間船への就職は、自衛隊とは全く異なるプロセスです。しかし、その違いを理解し、正しいステップを踏めば、誰でもスムーズに転職できます。
特に以下のポイントを押さえることが、成功への鍵となります。
- 多くの会社が船員を求めているため、海のハローワークに登録するだけで、企業から多数のオファーが届く
 - 企業側が求職者の都合に合わせてくれるケースが多く、面接のために遠方へ行く負担が少ない
 - 民間船の面接では、自己紹介や志望動機よりも、給与や手当などの条件交渉が重要
 - 船員の給与は会社ごとに大きく異なるため、月の手取り額、ボーナス、昇給の有無を必ず確認する
 - 乗船サイクル(休暇の頻度)や仮バースの頻度を事前に確認し、働き方へのミスマッチを防ぐ
 - 食事体系(司厨長がいるか、自炊か)も生活に大きく影響するため、必ず聞いておく
 - 転船の有無や各種手当(航海手当など)の内容も確認しておく
 - 転船を繰り返すことで、さまざまな船種を経験でき、転職の選択肢が広がる
 - 一つの会社に固執する必要はなく、給与や休暇などの条件が良い会社へ転職することも一般的
 - 船員は人手不足のため、資格と経験があれば、引く手あまたで転職しやすい
 
船員への転職は、自分自身が納得できる条件をしっかりと見極めることが何よりも大切です。
