内航船とは、日本国内の港から港へ貨物を運ぶ船舶を指します。外航船(外国の港にも寄港する船)とは異なり、内航船は国内のみを航行します。

内航船の種類

内航船にの種類は、細かく分類すればまだまだたくさんありますが、その中でも代表的な船をとてもザックリと紹介します。

ばら積み

鉄鉱石、石炭、穀物、塩、アルミ塊、銅鉱石などさまざまな資源を運びます。

コンテナ船

国際規格の海上コンテナを専門に運び、国際定期航路の主力となっています。
路線バスのようにあらかじめルートとスケジュールを設定して、定期的に決まった港に寄港します。

タンカー

原油や石油製品などを運びます。
入港できる港が限定されます。

ガス運搬船

液化石油ガス、液化天然ガス、アンモニア、エチレンなどを運びます。
入港できる港が限定されます。

自動車専用船

自動車を専門に運びます。
長さ160~180mくらいあります。

RORO船

トラックやトレーラーを積載し、自走で積み降ろしを行います。
長さ160~180mくらいあります。

セメント船

トラック数百台分のセメント(粉)を圧送ホースで積み降ろしします。

ガット船

砂利、砂、石材などを運びます。船に大きなクレーンがついてます。

フェリー

旅客・乗用車・貨物車(トラックやセミトレーラー)を一緒に運びます。

クルーズ船

飛鳥Ⅱ、飛鳥Ⅲ、にっぽん丸が代表的な船です。

船舶の規格

次に紹介する3つの型の内航船は、乗組員が少なく、1人ワッチ体制で運航します。
749t型には、司厨長がいる船もあります。

199トン型:499トン型と同様に、内航海運でよく見られる船型です。
499トン型:内航海運で最も一般的な船型の一つで、総トン数が499トン以下に制限されています。
749トン型:499トン型よりも大きな船舶で、積載量も多くなります。

199t型499t型749t型
総トン数199t499t749t
積載トン数約700t約1600t約2000t
長さ約40~55m約60~75m約60~90m

自動車専用船、RORO船、コンテナ船等は、これらより大きな船で、10数名乗組員がおり、職員(〇等航海士)と部員の2人ワッチ体制で司厨長がいます。
セメント船等もこれらより大きな船もたくさんあります。

終わりに

私が乗っている749t型には、AIS(船舶自動識別装置)や電子海図、オートパイロットがついており、バウスラスターもあります。
船の大きさにかかわらず装置の有無に違いがありますが、設備が整っている船が運航するのに助かります。
免状(船の免許証)や特殊無線の資格がないと、1人ワッチができません。
その場合は、大きな船に乗っていろいろ学び、乗船履歴をつけて免状を取得すれば、いろいろ道は広がります。
免状を持っていれば、民間船未経験の人でも、数名しか乗っていないワッチが1人体制に職員として船に乗れます。
最初の数か月は研修期間のように2人ワッチで、その後船長の判断で1人ワッチになりますので安心してください。
人数が多い船に乗ればマンツーマンで一つ一つ丁寧に基本から教えてもらうことができるので、船に慣れながらゆっくりと覚えていくことができます。
反対に乗組員の数が少なく1人ワッチの船は、マンツーマンというわけにはいかないので、作業を見て覚え、すぐにその配置につかないといけないので、かなり苦労します。理屈より体で覚える、という感じです。
結論でいいますと、免状等を持っている人は、内航船なら最初から職員として乗れるということです。
私もそうでしたが、どんな船種がいいのかわからなかったので、まず、1人ワッチか2人ワッチか、司厨長がいるのかいないのか、から選択していきました。
免状等を持っていない人に関しては、また別の記事で紹介させていただきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。