いろいろな種類の内航船の仕事、給料とは?元海上自衛官が解説するメリット・デメリット その2

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それではごゆっくりとご覧ください。

前回は、主な船種の概要と比較表でザックリと紹介しましたが、ここでは、いろいろな船種について、一つ一つより詳しく紹介していきます。

ばら積み船

主な積荷

鉄鉱石、石炭、穀物、セメント、木材チップなど

仕事内容

・荷主から依頼された貨物の積み込み、輸送、荷下ろし

・航海中の貨物状態の管理(例:穀物の熱発生防止のための通風)

・船倉の清掃や保守点検

乗組員の構成

・船長、航海士、甲板員

・機関長、機関士、機関員

勤務形態

荷役作業が長時間にわたる場合がある

・不定期航路が多く、スケジュールが変動しやすい

給与

・船の大きさや運ぶ貨物、航路により異なる

メリット

・一度に大量の貨物を運ぶため、スケール感のある仕事ができる

・危険物積載船のような制約を受けないので、比較的に仮バースに入りやすい

デメリット

・不定期航路のため、今後のスケジュールが立てにくいことがある

・粉塵が舞う環境での作業になることがある。

コンテナ船

主な積荷

雑貨、製品(コンテナ入り)

仕事内容

・コンテナの積み付け計画(Stowage Plan)に基づくクレーン作業の監督

・貨物の状態確認

・荷役中の安全管理

乗組員の構成

航海士、機関士、甲板員、機関員など

勤務形態

荷役時間が短いため、航海時間が長いことが多い

・スケジュールが厳格で、定時運航が求められる

給与

船の大きさや航路、運航会社により異なる

メリット

・スケジュールが明確で、次の寄港地が分かりやすい

デメリット

・荷役作業の時間が短く、タイトなスケジュールで作業負荷が高い

・一日で複数回の荷役がある

ひこやん

瀬戸内海を一日に何度も出入港、荷役する船はめちゃくちゃ忙しいみたいじゃけど、その分給料に反映されるよ!

タンカー

主な積荷

原油、ガソリン、灯油、液化ガス(LNG/LPG)などの液体危険物

仕事内容

・荷主から依頼された液体の積み込み、輸送、荷下ろし

・貨物の温度・圧力管理

・配管やポンプの点検、ガス検知器の確認など、高度な安全管理業務

乗組員の構成

・船長、航海士、甲板員

・機関長、機関士、機関員

・危険物を取り扱うための専門的な訓練を受けた乗組員

勤務形態

・荷役は高度な専門性が求められ、特に注意が必要

・危険物を扱うため、勤務中は常に高い緊張感が必要

給与

他の船種に比べて高収入な傾向がある

危険物手当資格手当などが加算されるため、給与水準が高い

メリット

・高収入が期待できる

・専門的な技術や知識が身につく

・需要が高く、安定した仕事がある

デメリット

・危険物を扱うため、常に安全に対する高い意識が求められる

・作業内容が専門的で、覚えることが多い

GAS運搬船

主な積荷

液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)、アンモニア、エチレンなど

仕事内容

・極低温の液体ガスの積載、輸送、荷下ろし

・貨物タンク内の温度・圧力管理

・荷役設備や機器のメンテナンスと安全点検

・ガス貨物を取り扱うための高度な安全管理業務

乗組員の構成

・船長、航海士、甲板員

・機関長、機関士、機関員

・極低温のガスを取り扱うための高度な専門知識と資格を持つ乗組員

勤務形態

・荷役作業は専門性が高く、細心の注意を払って行われる

・勤務中は常にガス漏れなどの危険を考慮した高い緊張感が求められる

給与

非常に高水準

・特殊な貨物を扱うための専門手当が加算されるため、他の船種と比べて給与水準が高い

メリット

高収入が期待できる

・ガスに関する最先端の専門知識と技術が身につく

デメリット

・危険物ゆえに常に高い緊張感と責任感が求められる

・専門的な知識が必須で、覚えることが多い

ひこやん

タンカーやGAS船は、危険物積載船でルールが厳しいみたいじゃけど、給料はだいぶいいみたい、わしがもらっとるのより、7~8万はおおいじゃろうな!

自動車専用船

主な積荷

新車、中古車、バス、トラック、建設機械

仕事内容

・車両の誘導と固縛(ロープやベルトで固定)作業の監督

・航海中は車両甲板の巡回や貨物状態の点検

・荷役作業中の安全管理と監督

荷役作業を専門に行う陸上スタッフと連携して作業を進める

乗組員の構成

・船長、航海士、甲板員

・機関長、機関士、機関員

勤務形態

・多くの港を効率的に回るため、入出港の頻度が高い

・荷役作業は昼夜問わず行われることがある

給与

・航路や船の規模、運航会社により異なる

メリット

・荷役作業が迅速で、港での滞在時間が短い

・世界的な自動車産業を支える仕事にやりがいを感じられる

デメリット

・車両が滑らないように、甲板が特殊な加工になっており、作業中の転倒に注意が必要

RORO船

主な積荷

自動車、トラック、バス、建設機械などの自走式車両

仕事内容

・車両の誘導、積み込み、積み下ろしの監督

・航海中は車両の固縛状態(動きがないか)の点検

・貨物の状態確認や安全管理

荷役作業を専門に行う陸上スタッフと連携して作業を進める

乗組員の構成

・船長、航海士、甲板員

・機関長、機関士、機関員

勤務形態

・定期航路が多く、運航スケジュールが安定している

・夜間運航が多く、夜勤がある

・港での荷役が短時間で終わるため、停泊時間が短い

給与

・定期航路のため、給与は安定している傾向にある

メリット

生活リズムが比較的安定している

・休暇が定期的に取得しやすい

・荷役作業が迅速で、精神的な負担が少ない

デメリット

接岸・離岸作業の回数が多く、忙しい

・特にトラックなどを扱う場合、荷役中に事故が起きないよう細心の注意が必要

ひこやん

自動車乗せとる船は、でかいけん2人ワッチで、職員と部員にわかれとるよ!

セメント船

主な積荷

粉末状のセメント

仕事内容

・セメントの積み込み、輸送、荷下ろしの管理

・空気圧送システムや荷役設備の操作と保守点検

・貨物艙内の清掃や機器のメンテナンス

乗組員の構成

・船長、航海士、甲板員

・機関長、機関士、機関員

勤務形態

・荷役作業が昼夜問わず行われることがある

給与

船の大きさや航路、運航会社により異なる

メリット

・決まった航路を運航するため、次の港やスケジュールが把握しやすい

危険物積載船のような制約を受けないので、比較的に仮バースに入りやすい

デメリット

粉塵が舞う環境での作業になることがある

・荷役作業中は、セメントの扱いに細心の注意が必要

・他の船種に比べて、仕事内容が単調になりがち

ひこやん

セメント船は、船の大小がいろいろあるよ!

ガット船

主な積荷

砂、砂利、石材、建設残土など

仕事内容

航海・機関業務に加え、自船のクレーンによる荷役作業

乗組員の構成

航海士、機関士、甲板員、機関員など

勤務形態

・日本国内の内航船が主で、比較的勤務スケジュールが安定している

・荷役作業中は24時間体制で作業が行われることもある

給与

・クレーン操縦という専門スキルが求められるため、一般的な貨物船よりも高くなる傾向がある

メリット

クレーン操縦という特殊で専門的なスキルが身につく

・荷役設備がない場所でも作業できるため、仕事の幅が広い

災害対応など、社会貢献性の高い仕事に携われる

デメリット

・陸上での重機(バックホウなど)の操作技術が求められることがある

・粉塵が舞う環境での作業になることがある

ひこやん

ガット船は、まさに現場仕事って感じ。
クレーンの腕がよければ、そのぶん早く仕事が終わるよ!

フェリー

主な積荷

旅客、乗用車、トラック、バイクなど

仕事内容

航海業務: 航行計画の策定、運航監視、操船など。

機関業務: エンジンの運転・管理、保守点検。

荷役業務: 車両の誘導、固縛(ロープやベルトで固定)。

接客業務: 旅客の案内、サービス提供、安全管理、救護対応など。

乗組員の構成

航海部門: 船長、航海士、甲板員。

機関部門: 機関長、機関士、機関員。

サービス部門: 客室係、調理員など。

勤務形態

・決められたスケジュールで運航するため、勤務時間が比較的安定している。

・サービス部門:24時間運航の航路が多いため、夜間や早朝の勤務がある。

給与

・定期航路のため収入が安定している。

メリット

・ 決まった航路を往復するため、生活リズムが安定しやすい

・旅客と接する機会が多く、コミュニケーション能力が向上し、接客スキルが身につく

・航海、機関、接客など、様々な業務があり、仕事に多様性がある 。

デメリット

・旅客対応が業務に含まれるため、コミュニケーションが不可欠

・ 短距離航路の場合、接岸・離岸作業の頻度が高く、忙しい。

クルーズ船

主な役割

旅客への快適な船内生活とエンターテインメントの提供

仕事内容

航海部門: 運航、操船、安全管理。

機関部門: エンジン管理、発電、保守点検。

ホテル部門: 接客サービス、客室清掃、調理、レストラン業務、エンターテイメントショーの運営など。

乗組員の構成

航海部門: 船長、航海士、甲板員。

機関部門: 機関長、機関士、機関員。

ホテル部門: ホテルマネージャー、ウェイター、シェフ、ハウスキーパー、エンターテイナーなど、陸上と変わらない多くの職種が存在する。

勤務形態

・ 船上で数ヶ月単位の契約で働くのが一般的。

・さまざまな国籍の乗組員と一緒に働くことになる。

給与

・ウェイターやハウスキーパーなど、チップによって収入が大きく変わる職種もある。

メリット

・多国籍な環境で働くため、自然と語学力が向上する。

・食事や宿泊費は基本的に無料。

デメリット

・人間関係が複雑、長期間、狭い空間で多国籍な人々との共同生活になるため、人間関係のトラブルに注意が必要

・ホテル部門は、労働時間や拘束時間が長くなる傾向にある

ひこやん

お客さん乗せる船は、やっぱ船内で気を遣うけど、仕事以外の人たちと、接する機会があるって重要だよな~

まとめ

船種によってこんなに、仕事の内容や形態が違います。

ばら積み船やタンカーなど、荷物の内容が変わる船は、その都度、貨物倉内の掃除を行います。

その場合は、掃除手当がつきますが、これが結構💰いいです、キツいですけど( ;∀;)

甲板部や機関部、司厨部以外にも、お客を乗せる船は、サービス部があります。

こちらは、アルバイトも募集しているみたいですね。

いろいろ船種があるな~と、書いてて思いました、これ知ってたら就職先違ってたかな(笑)

この記事が、こちらの世界を考えてる人や船種を変えようと転職を考えている人たちの参考になると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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